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  • オリンピックへの道・VOL.3エキスパート・オリンピック・ガルダ大会
エキスパート・オリンピック・ガルダ大会で富沢慎、須長由季ともに2位に入る
  •  男子参加国7カ国 参加定数8 名
     女子参加国3 カ国 参加定数3 名
  • 参加選手
     富沢 慎 (関東自動車工業)
     須長 由季 (ミキハウス)
  • コーチ
     宮野 幹弘 (45RPM)

 5 月12 日から16 日までイタリア・ガルダ湖でエキスパート・オリンピック・ガルダレガッタ(ISAF グレードⅡ)が開催されました。ユーローリンプシリーズの大会で、ロンドン五輪全クラスがおこなわれます。
RS:X クラスは男子参加国7カ国/参加定数8名、女子参加国3カ国 参加定数3名で、日本人参加選手は富沢 慎(関東自動車工業)と須長 由季(ミキハウス)です。

欧州遠征初戦の富沢、世界選手権チャンプとマンツーマンで戦うことに意欲を燃やす須長

 いよいよ明日からイタリア北部、ミラノの北北西200kmにあるガルダ湖にて大会が始まります。大会は、2006年にRS:X世界選手権が行われたTORBOLE(トルボレ)が2010年のRS:Xの会場になり、日本からは男子:富沢慎、女子:須長由季の2名がこの大会に参戦します。
 男子参加数は8名、女子参加数は3名と少ないですが、RS:X級女子には2006年、2008 年の世界選手権で優勝したアレサンドラ・センシーニ選手(イタリア)が本日、ふらりと大会会場に現れ、急遽この大会に参加することになりました。須長はほとんどマンツーマン状態でワールドチャンピオンと合わせることに意欲を燃やしています。RS:X 級男子の富澤は2008年に同じ大会で優勝しており、今回はマイアミOCR で負けているアルゼンチンの選手を打破しての優勝が目標です。RS:X級は過日のアイスランド火山噴火の影響をうけ、4月からの遠征を延期、今回が欧州遠征初戦になります。

大会会場(TORBOLE)

大会会場(TORBOLE)

大会初日:風待ち

 今日からレースが始まります。
 13:00第1レーススタート予定でしたが、風が安定せず、ウェイティング15時を過ぎたところで、雤雲と共にブローが入るが、雷が鳴り、そのままウェイティング、雤雲も去り風もなくなってしまい、18:15 分にノーレースが決まり、本日は終了。エントリーをしていたアルゼンチンの選手が来ることができなくなり、参加人数が減ってしまった。富沢慎選手はリベンジをすることができずに少しがっかり。明日のレーススタート時刻は12:00 予定。あまりよい予報が出ていないが、良い風が吹くことを期待したいと思います。

風待ち風景

風待ち風景

富沢第1レーストップフィニッシュ

 大会3日目、昨日までの風とは異なり、平均風速10ノット程度の穏やかな海となった。しかし、パフに入るとクローズホールドでもプレーニングをし、一方でラルの時はダガーを利用するといった非常にシフティでガスティなコンディションとなり、臨機応変な操作やレース運びが必要となる難しいレースとなった。

男子第6レースは11時にスタート。富澤選手はスタートで出遅れたものの、次の風を上手に読み、第1マークをトップで回航し、そのまま後続を寄せつけず1位でフィニッシュ。その他の日本選手達は昨日のミーティングでの反省を踏まえたコース取りや取り組みが見られたが、順位は思うように伸びなかった。

第7レースの頃になると、風速が少し落ち、風向にも変化が見られ、前レースよりもさらにトリッキーなコンディション。富澤選手は、スタートで飛び出したもののファーストタックの位置を誤り、その後も他の選手に対して後手となるレース運びとなってしまった。そうなると、気になるのが暫定2位の韓国のリー選手だが、幸いなことに彼もコースのポケットにはまってしまい、最終的に富沢選手は6位、リー選手は7位でフィニッシュ。共にカットレースとなり通算順位には変動はなかった。この日我々が注目した選手は、軽・中風を得意とする香港のア・イェン選手で、この日のレースを1-2にまとめ、暫定3位と順位を上げてきた。シリーズ後半は、軽・中風域でのレースが予想されるため、注意して戦っていかなければならない。3日間で7レースを消化。明日はレイデイでレースは休み。貴重な1日、心身ともにリフレッシュし、後半戦に向けての調整をはかりたい。

富沢慎『ボードスピード、角度などに気を取られすぎてしっかりとしたコースを引くことが出来なかった。明日はこのような事がないように全レース1位でフィニッシュしたい』
須長由季『センシーニの下りの速さに驚いた、上りでは追いついても下りですぐ離されてしまう。明日は何とついていけつようにしていきたい』

バトル

5月13日成績

  • 富沢 慎(関東自動車工業) 2位 1-2-3
  • 須長 由季 (ミキハウス) 9位 10-9-9(男女一緒の成績)

前日と同じコンディションでレース開始

 今日の前日と同じコンディションで予定通り12:00に本日の第1レースがスタートした。2レース終了後、雤雲と共に20ノットオーバーの風が吹き、氷が降る予報が出たため、レースは一時中断、その後雤雲が去り、気持ちの良い青空とともに風もなくなり17:30に本日のレースが終了。
 男子・富沢は、本日行われた2レース共に良いスタートが出来ない事で思うようなコース取りを取ることができませんでした。またプレーニングコンディションであったのに角度を気にしすぎてしまい、スピードにも乗れず、順位を上げる事が出来なかった。今日は近くの事しか目に入っていないようであった、もう少し大きい視野でレースを見る事が重要だろう。
 女子・須長選手は、1レース目2上までセンシー二の前を走っていましたが、最後の下りで、ガスティなコンディションの中、風を見ながらプレー二ングを維持してきたセンシーニ選手に抜かれてしまい、残念でした。ダウンウインドでのスピードを維持して深く下っていく事をレースの中で学んでほしいと思う。

富沢慎『スピードと角度に気を取られすぎて、レースの組み立てが出来ていなかったが、自分なりには良い感覚を得ているので明日につなげていきたい』
須長由季『世界トップランクの選手と走れる良い機会なので、つまらないミスを無くして、上を目指していきたい』

世界チャンピオンの前でトップマーク回航

5月14日成績

  • 富沢 慎(関東自動車工業)2 位 1-2-(3)-3-2
  • 須長 由季(ミキハウス) 9 位
    (10)-9-9-7-8(男女一緒の順位)

課題が見えた

 今日はいつもと違い北風が吹き寒い朝を迎えました。レース予定時刻の12:00が近づくにつれ風が落ち、回答旗が上がりウェイティング。30分ほどして南風が13から15ノットの風が入り13:00に本日の第1レースがスタート。引き続いて第2、3レースと行われた。今日はいつになく風が安定しないコンディションとなり選手たちを悩ませるレースとなった。
 富沢選手は、本日行われた3レース共にスタートに悩まされてのレース展開となり、何とかダウンウインドで上手く風をつかみ挽回するが、納得のいくスピードが出せない中、3レース目は安定しない風で上手くプレー二ングを保ち、1位でフィニッシュ。得意のスタートで思うような位置から出られない事がレース全体に響いているように思う。
 須長選手は、ガルダ特有の風に翻弄されていますが、センシーニとマンツーマンでレースをすることで、得るものは多く、課題も見つかりレース後も練習してします。

富沢慎『うーん?思うように走れません、ウインドサーフィンは難しい、もっと練習しなければ』
須長由季『世界チャンピオンへの道は遠い、練習あるのみ』

RS:Xスタート

5月15日成績

  • 富沢 慎(関東自動車工業)2位 1-2-(3)-3-2-2-3-1
  • 須長 由季(ミキハウス) 9位
    (10)-9-9-7-8-9-10-9 (男女一緒の順位)

風が安定せず最終レースを行わず

 本日が大会最終レースです。RS:Xクラスは参加艇数が少ないためメダルレース(決勝レース上位10名だけがレースを行う)は行わず、フリートレースが行われる予定になっていましたが、風が安定せず最終レースを行わずレースが終了しました。
 その結果総合では男子:富沢選手が2位、女子:須長選手が2位と2 つの銀メダルを獲得することが出来ましたが、男女ともに課題が残る大会になりました。次回の大会までには、この課題をクリアーにし、好成績をあげたいと思います。
 次の大会はワールドカップ第5戦となるオランダのデルタロイドレガッタ(5 月26日~30日:オランド・メデンブリック)です。

最終順位

  • 富沢 慎(関東自動車工業)2位
    1-2-(3)-3-2-2-3-1
  • 須長 由季(ミキハウス) 2位 (女子クラス)
    9 位 (10)-9-9-7-8-9-10-9 (男女一緒の順位)